「東京新聞」夕刊より 「2005年4月16日(土)掲載」
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| 名流 |
芸ひとすじ マジシャン 北見(きたみ)マキ |
| 観客の心をつかみ、夢を与え |
観客を一瞬にして“ミステリーの世界”に吸い込ませる−。日本奇術協会会長を務め、その名を知らない人はいないマジシャンの第一人者。 「信じられないでしょうが、少年時代は内気で、引っ込み思案だったんです」
中学校卒業式の謝恩会で、それまで一人で楽しんでいた「水を入れたコップに卵を浮かべる芸」を演じて大受けした。これが奇術界入りのきっかけ。 デパートのマジックショップに立つ傍ら、本格修業を続けた。試行錯誤を重ねながら日本の奇術「養老派」の“和妻”を独学で現代によみがえらせ、これが国の無形文化財に。家元も継承して、いまや「和」「洋」を融合させた独自の世界を確立した。 「和妻」は江戸時代の「手品」「手妻」を指し、“稲妻のように目にも止まらぬ早業”という意味。文明開化とともに渡来した「洋妻」(西洋手品)と区別するための呼び名。 「日本には古くから伝わるいい手品があり、情緒豊かな名前が付けられています。『落花の舞』『傘道中』などがそれです」 自身があみ出した、顔に付けた面が瞬時に「般若」「侍」に変わる芸は珠玉の技。 「私の神髄は“観客を見、心をつかみ、夢を与える”ことです」 取材・文・増淵 安孝 |